4月定例勉強会
今回は定例勉強会でコラムを担当し『小脳と失調症』をテーマに発表させて頂きました。先月から小脳梗塞を呈する症例を担当しており、小脳損傷に伴う運動失調をどう捉えて考えていけばいいのだろうと疑問に思っていました。
小脳には各領域に異なる入力/出力系をもち、運動制御(一部は認知機能)としての機能があり、また学習機能と統合し内部モデルが形成されます。この内部モデルを基盤としてフィードフォワード制御と修正が随時行われているため、小脳が機能しなくなると感覚入力に基づくフィードバック制御に頼るようになり、運動が行き過ぎては修正されることの繰り返しの状態(測定障害や企図振戦などの運動失調を生じさせてしまう)に陥ることがわかりました。
症例の病態から小脳機能を考えていくことでより『小脳と失調症』について知識を深めることができました。症例から得られる情報として神経生理学、病態生理学とセラピスト(自分)の視点、ハンドリングによる評価とを結びつけて治療に活かせるようこれからも勉強していきたいと思います。